DAPとも表記されるデジタルアダプションプラットフォーム(Digital Adoption Platform)の「アダプション」には、もともと「適応、順応」といった意味があります。これは、マーケティング用語でユーザーの活用や定着の支援を意味するもの。
そのうち「デジタルアダプション」は、ソフトウェアやWebサービスなどデジタルツールの利活用を促進するためのユーザーサポートの用語として使われます。
カスタマーサクセスは、オンボーディング→アダプションといったプロセスで進行します。
業務システムを例にとると、契約をして社内に導入する段階がオンボーディング。次の運用フェイズで、従業員が使いこなせるようにサポートするのがアダプション。業務システムは導入することが目的ではなく、導入後に十分活用してこそ目的を達成するのであり、アダプションはシステムのROIにも大きく影響を及ぼすわけです。
デジタルツールの利活用を促進するためとはいえ、ITスキルにバラつきがある従業員すべてに対して、研修や個別指導で手間やコストをかけ過ぎるのも本末転倒。そこで注目したいのが、デジタルアダプションプラットフォームのセルフオンボーディングという考え方です。
ユーザー自身で操作が完結できるようにガイドするのがセルフオンボーディング。そのためのツールがデジタルアダプションプラットフォームであり、ソフトウェアやWebサービスを改修することなく、入力画面に吹き出しの説明をアドオンするといったことができます。
分析(Analytics)機能、ガイド(In-App Personalized Guides)機能、フィードバック(Feedback)機能。デジタルアダプションツールの代表的な3つの機能について、概要や何ができるのかを説明します。
生産性の向上、新規システム導入の効率化、システムの定着化や問い合わせ対応のコスト削減といった点から、デジタルアダプションプラットフォーム導入のメリットを解説。各シーンで役立つ詳細機能の具体例も取り上げています。
システム利用の定着や業務の効率化のみならず、ユーザー行動やニーズのワンストップ管理、ROIの向上など、デジタルアダプションプラットフォームの導入効果を深掘りしています。事業戦略にも関係する重要事項ともいえるでしょう。
デジタルアダプションプラットフォームを導入するだけで、現状課題が解決するわけではありません。導入にあたって注意すべきポイントを、導入前に整理すべき点と、提供するベンダー選定の要点に分けて説明します。
デジタルアダプションプラットフォームの市場規模は、2020年以降縮小することもなく、年々拡大しています。2020年には売上金額はわずか4億円に過ぎなかったものが、2030年には160億円近くになると予想されています。なぜこれほどまでに市場が拡大しているのかを理解することも重要です。デジタルアダプションプラットフォームの市場規模を把握しておくことで、どの程度必要とされているのかを知れるでしょう。
デジタルアダプションプラットフォームを必要とする業界には、建設業界やエンジニアリング業界などがあります。これらの業界に必要な理由を把握しておくようにしましょう。また、デジタルアダプションプラットフォームを導入する必要があるのは、現場部門やIT部門になります。これらの部門にデジタルアダプションプラットフォームを導入することによって、今まで以上に生産性の向上や業務の効率化を進められるでしょう。
デジタルアダプションプラットフォームには、いくつかの課題があります。そのため、自社に合ったものを選ぶ、サポートがしっかりしているものを選ぶなどといった対処法を理解しておく必要があります。導入前に課題に対する対処法を確認しておくことで、導入後の混乱を最小限にとどめられるでしょう。そのため、デジタルアダプションプラットフォームにどのような課題があるのかも理解しておく必要があります。
デジタルアダプションプラットフォーム導入を進める前に、失敗をしないためにも問い合わせの減少・機能が複雑・活用されない可能性があるといったデメリットがあることを把握しておきましょう。それぞれのデメリットについてだけでなく、メリットについても軽く触れているので、メリット・デメリットをきちんと把握したうえで、自社に合った機能を有しているデジタルアダプションプラットフォームの導入を検討してみてください。
デジタルアダプションプラットフォーム導入に際しては、費用について比較検討することも重要です。各製品の機能や特徴に加えて費用を比較することで、自社に合った製品を選ぶことができます。ただし、デジタルアダプションプラットフォームは費用が公開されていないことも多いため、ホームページを見ただけではわからないことも多いのが現状です。そのため、気になる製品があったら販売元に問い合わせをしてみるのが確実です。
デジタルアダプションプラットフォームを導入する前には、トライアルを試してみるのもおすすめです。トライアルをしておくことで、導入してから自社に合った機能ではなかったなどと後悔することがなくなります。そのため、トライアルが可能な製品を紹介するので、特徴や機能をよく比較して、気になる製品のトライアルを試してみてください。ただし、期間がはっきりしない製品もあるため、事前に問い合わせてみることも大切です。
2023年3月時点で日本においてデジタルアダプションプラットフォームとして売り出されている製品は3つ。そのうちデータ先行型とガイド先行型でおすすめの製品をそれぞれ1つずつ紹介します。
「データ先行型」か「ガイド先行型」か
引用元:Pendo公式HP(https://jp.pendo.io/)
引用元:Techtouch公式HP(https://techtouch.jp/)
自社の課題に照らし合わせ適切な製品を導入しましょう
Pendo選出理由:Google検索してヒットする日本で展開しているデジタルアダプションプラットフォーム3社(2022年3月1日時点)のうち、製品情報が詳しく明記されている企業の中から、データ分析機能をメインで謳っているデジタルアダプションプラットフォームの製品として選出。
Techtouch選出理由:Google検索してヒットする日本で展開しているデジタルアダプションプラットフォーム3社(2022年3月1日時点)のうち、製品情報が詳しく明記されている企業の中から、ガイド機能をメインで謳っているデジタルアダプションプラットフォームの製品として選出。